SMWSについて
蒸溜所よりシングル・モルトとして瓶詰されるウイスキーは、味わいが一定しております。
こうした味わいの一様性を保つためにブレンダーの優れた技術をもって、
樽ごとに味わいが異なるウイスキー樽を幾つも混ぜ合わせております。
また、アルコール度数は、年数や樽の形状によって異なり、大体12年で57%程度ありますが、
蒸溜所が瓶詰するシングル・モルト・ウイスキーのほとんどは、
加水して40%~46%に調整して瓶詰されております。
更に、近年では、ウイスキーに水を加えても濁りが生じないように冷却濾過(チル・フィルター)を掛けております。
この濾過によって、ウイスキーの透明感は増すのですが、残念ながら同時に、
そのウイスキーに味わいと特徴を与えている成分の内の幾つかも失ってしまうのです。
その多様性を最大限に楽しめるよう瓶詰されております。
本部の選定メンバーがスコットランド各地にある蒸溜所の協力を得て樽を厳選し、
そのウイスキーが樽の中で眠っていた状態で瓶詰しております。
つまり、樽どうしを混ぜ合わせず、加水せず、チル・フィルターもかけずに瓶詰しております。
これは、「熟成されていたままのウイスキーを飲みたい!」というザ・ソサエティ設立当初からの方針です。
設立当初は、ザ・ソサエティに協力的な蒸溜所は20ヶ所程度でしたが、
今ではアイルランドや日本をも含む125の蒸溜所
(2003年時点。閉鎖、休業、同蒸溜所で異なるタイプを含む)
から協力を得ております。
ザ・ソサエティでは、蒸溜所の名前にとらわれることなく、
真の優れたモルトウイスキーを会員の皆様と分かち合えるよう努力しております。
ザ・スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ(SMWS)は、
1983年にエディンバラの古い港町リースで設立されました。
その始まりは、ピップ・ヒルズが数人の仲間とシンジケートを組みスペイサイドの蒸留所(No.1)から樽を購入し、
分け合った事でした。
SMWS設立の趣旨は、
世界で最も素晴らしいスピリッツであるウィスキーを愛し、
分かち合い、認識を深め、味わい、そして楽しむ事にあります。
この趣旨に賛同する人々をSMWSは、いつでも受け入れています。
エディンバラ本部は、14世紀に建てられたワイン倉庫を改築したザ・ボルツという建物内にあり、
会員専用のラウンジ、テイスティングルーム、4タイプのフラット(宿泊施設)を備えています。
初期のSMWSは、モルト・ウィスキー愛好家の小さな集まりに過ぎませんでしたが、
モルト・ウィスキーへの評価が高まるにつれ、世界中から入会希望者が集まってきました。
日本でも愛好家が増えてきた事から、日本支部誕生への気運が高まり、
1993年に日本支部が誕生しました。
現在、アメリカ、スイス、オランダ、イタリア等、世界14ヶ国に支部があり、
会員数は全世界で3万人を超える規模となっています。